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バトスピ研究所 第2回「なぜ赤が台頭するのか?」

助手「所長、なに計算してるんですか?」

所長「いや、同じルートを通っているのに行きも帰りも向かい風になる確率を計算しててな」

助手「またですか? そんなの風向きを大まかに8方向に分けても単純計算で結構な確率ですよ?」

所長「ええい、だから常々言ってるだろう! 確率論などオカルトだと! ところでお前はなにをやってるんだ?」

助手「あ、この前所長が組んだ新型のミカを回してたんですよ。前の環境はミカ使って楽に勝てましたし、これを極めれば僕でもまた勝てるようになるんじゃないかって」

所長「……色々言いたいことはあるが、まあそこまで言うのなら実戦で試させてやろう」

助手「いいですよ! 今日こそは所長に勝ち越してみせます!」

   ~1時間後~

助手「ひ、酷いですよ所長! 赤で焼き尽くすなんて!」

所長「当たり前だ。現環境で主流となっている赤コントロールがその程度の防御で凌げるわけがないだろ」

助手「でも所長、このデッキって黄タッチ白での軽量ブロッカーとしては一番硬い方なんですよね?」

所長「お馴染みコリスタル、4コアでBP7000になるケン、2コストでは最硬のラングリーズ、このデッキに入れてないがジャグリーン、軽量でできる壁は精々この程度だろうな。そしてこれらは赤コントロールには一瞬で焼き尽くされる。だから主流となるデッキには不利がついてしまうという哀しい結果になるわけだ。それはこの無限ドローのギミックにもいえる」

助手「アルケーで軽減を増やした小玩をチワールで手札に戻してリターンドローの効果でドローするギミックですよね。おそらく今のカードプール、ミカを回すには一番確実な方法だと思いますけど」

所長「これを一気に展開するならいいが、使用コアの関係上ライフ1まで削られるとしても何ターンか待たないといけない。その負担を軽減する上で先出ししていったら焼かれる隙を晒してしまうからな」

助手「はい、僕が押し切られたときも、意外と必要コア多くないなと思って悠然と構えてたらそれが溜まる前にやられちゃいました」

所長「そもそもこのギミック、最低限必要なカードが4種類あるのでどうにも扱いずらい。一度だけストームドローで引いた3枚が全部必須パーツだったが、あと一つを引くのに大分手間取ってしまっただろ? 最低限4種必要ということはこういうことが起こりやすい」

助手「じゃあコアブーストと守りも兼ねて緑白に組み込んでみるのはどうですか? 軽減はティングリーを使えば大分楽に……」

所長「馬鹿もん、それだと必須パーツが5種類になってしまうだろ。まあドローの色である紫と組んだりも視野に入るが、軽減コストの関係上なおさらティングリーに依存してしまうのは避けられまい。ある意味黄単よりはやりやすいがな」

助手「まだまだ研究がいるってことですね。そういえば所長、以前組むといった粉砕デッキはどうでしたか?」

所長「ああ、あれか。一応組んではみたが、どうにもぱっとしなくてな」

助手「どれどれ、見せてください。あ、緑との混色なんですね。緑はコアブーストに重点絞ってますね」

所長「粉砕持ちをどいつもLv3に引き上げるには結構なコアが必要だからな」

助手「でも所長、粉砕持ちは崩壊する戦線で最高Lvまで持っていけますし、赤が多くなったからと投入した斬竜刀のガイでもフォローできます。コアブーストまでしてレベルを上げなくてもいいんじゃないですか?」

所長「お前は本当にテキストを読まないな。崩壊する戦線や斬竜刀のガイのテキストをよく見ろ。こいつらの効果が適用されるのは自分のアタックステップだけだ」

助手「あ、本当だ」

所長「そういう勘違いをよく見るが、発動タイミング一つで大分カードの評価は変わるんだ、よく見ておけ。そして一番重要なのは『赤が増えた』ということだ。自分のアタックステップ以外のこいつらなんて、自力でレベルアップしておかないとレオンハウルで一掃されるわ、まともなブロッカーにもならん。赤が増えたということは自力でコア稼いだ方がはるかに安全なんだ」

助手「でも所長、聞いてると今の環境だと赤コントロールにコンセプト崩されるデッキじゃ勝ち目がないという風にしか聞こえないんですが」

所長「その通りだから仕方がない。さて、ではなぜ赤コントロールが主力になるのか語っていこうか。大分遠回りになってしまったがな」

助手「そもそもどうしてここまで赤が流行っちゃったんですか?」

所長「強いからだろ、単純な話。他の色でもタッチで活躍するジャグリーンは序盤での大いなる壁だ。はっきり言って対赤戦はこいつに対処できるかどうかが勝敗を左右するといっても大差ない。そして現状軽量最強の矛であるドラグノ突撃兵。3/2という優良スペックのくせにわずか3コアでBP8000で殴れるのだ。これはヴォルク・バブーンが涙目というレベルじゃない。テラノセイバーもだが、こやつはLv2でブロックできたり、コスト2であるが故色々と恩恵を受けれるため色々と使い道はあるが、どの道ジャグリーンと突撃兵という最強の盾と矛が並んだ状態は大抵のデッキには脅威にしかならんな」

助手「BP8000を止められる手段なんて、防御が強い白でも結構な準備が要りますからね」

所長「そう。そしてここで重要なのが各種焼き要素だ。厄介な能力を持つスピリットはBP5000がリミットの場合が多く、そうでないスピリットも6000以上を安定させるのに膨大なコアを必要とされる物がさらに多い。その状況で赤の台頭はこれらBP5000以下に対する抑止力でもあるんだ。しかも赤の恐ろしいところは、かといってBP6000以上が安全というわけでもない。プテラトマホーク、ランカリンクスの2体と燃え盛る戦場を組み合わせたコンボは凶悪極まりない。なぜならこいつら、殴る必要があるとはいえ高BPのスピリットを消そうと思えば思うほど安全になるという妙な強みがある。だから低BPで厄介なスピリットを置いて誘うこともできるが、その場合はフレイムダンスやレオンハウルであっさりと焼かれるだろうな。安全圏があるとすれば精々10000ぐらいだろ」

助手「10000って、素で持ってるスピリット自体がそんなにいませんよ?」

所長「だから赤の焼き能力は厄介だといっている。さらに厄介なのは『一応の』安全圏であるだけで、マジックでのBP増強まで考えたら20000はないとな。精々このラインを平時でクリアできそうなのはガウシルヴィアぐらいだろう」

助手「そのうえ6000まで焼けるギガや、コア数が条件のリヴァイアまで絡んでくるんですよね。所長! これでは赤が環境に多いとコンボデッキすら組めません!」

所長「だからそう言ってるだろ。そして逆に言えばそれが赤が台頭する理由だ。いきなりヴァリエルとかの光芒持ちが現れて無限アタックされるとかの状況でもない限り、大抵のコンボデッキは特に対策することがなくても手持ちの材料で割かしあっさりと焼けるんだ。いや、その無限アタックにすらサイレントウォールで対処できるという突破口もあるからほぼ隙なしだな。それでいて盤面で戦うデッキにも最強の盾と矛がいる。レオンハウルもただの殴り合いになったらBP14000の化け物となって襲い掛かってくるわけだしな」

助手「じゃあ赤を使えばとりあえずは負けないんですね!」

所長「大馬鹿者。その思考で飛びついても結局は腕の差で返り討ちに遭うんだぞ。どんなにへっぽこでも先にコンボ発動させてしまえば勝てるミカデッキミラーと違ってな。もちろん引きに左右される要素もあるが、十中八九強い方が勝つ。楽に勝ちたいという腑抜けた根性で手を出す前に少しは腕を磨けということだ」

助手「でも所長、そうすると赤一色になっちゃうじゃないですか。それだとなんかつまらないですよ」

所長「なに、ちゃんとカードプールには対策が用意されている。それが装甲だ。最初は赤のメタ色だから装甲:赤が多いと思ったが、恐らくこの環境を見越して装甲:赤を多めに配置してたんだろう。焼けない以上赤側は大量のカードが腐り、突撃兵、レオンハウル、序盤のジャグリーンみたいにBP頼みでしか殴れなくなるだろう。しかしそうなったらなったで、防ぐ側に有利なのが白という色だ」

助手「ってことは今の環境は装甲デッキで行けばかなりの勝率が稼げるということですね!」

所長「……なんでお前はそう楽な方へと走りたがるんだ。装甲デッキにも弱点はある。見ろ、こいつらのBPを」

助手「あ、メインとなる軽いのはかなりBP低いですね。これだとBPの力押しには勝てませんよ?」

所長「そう、こいつらはBPの力押しに弱い。だから装甲を持たず硬いスピリットもある程度入れなければならないが、それはそれでデッキも重くなるし赤には焼かれる事となる。バランスが難しいし、赤に速攻決められたら終わりだ。大体赤も突撃兵のBP8000は、普通の白でも防げるスピリットが限られてくるからな」

助手「ああなるほど。赤を潰す装甲デッキが増え始めれば、今度はそれを潰す力押しデッキが出て来やすくなるということですか」

所長「その通り。前回のミカ環境といいどうにもこういう三つ巴が好きらしい。まあ赤にBPで押されると装甲側も辛いが、だから鏡の回廊というカードもある」

助手「あ、確かにこれだと何度もブロックできますね。でも赤はネクサス破壊も豊富ですよ。最近はBP+3000も使えるのでバスターランスが積まれてるのをよく見ますし、ドラグサウルスもまだまだ現役です」

所長「そこもある程度上手く調整してはいる。ほら、バスターランスはLv1のネクサスしか破壊できないだろ。しかし鏡の回廊Lv2はどうなってる?」

助手「一時期話題になったから知ってる人が多いでしょうね。単品ならコアを2個ボイドに送ってバトル中のマジックを無効にする効果です」

所長「つまりだ、ドラグノサウルスはある程度割り切ってバスターランス対策にLv2にしたらどうなる? 相手はすでに腐ったマジックを撃ってこちらのコアを減らしに掛かってくる。コアがないとBPは非情に貧弱だし、その状態で握りこんだバスターランスなりドラグサウルスなりを出せば装甲側の場はがたがたになるだろう。きっちりとメタられている赤だが、ちゃんと抜け道は用意されている。いやはや、ここまで筋書き通りだと感心してしまうな」

助手「なんかきっちり踊らされている気がしますね。あ、所長。ダイヤモンドの月を貼られたら、赤側はどうすればいいんですか?」

所長「ドラグサウルスを引けるよう祈れ。オーディンとかまで出張ってきたなら焼けるカードがくるように祈れ」

助手「ああ、お手上げってことですね……」
by mma-island | 2009-05-05 00:46 | バトルスピリッツ