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バトスピ研究所 第8回「這い寄る紫」

助手「所長、見ましたかっ? アニメはとうとう次回青のニューXレアが登場ですよ!」

所長「作り物らしいから青だと思ったら、やっぱりか。それはともかく今回は珍しく販促してたな。まるで打ち切り決まったら途端に面白くなった「スピンちゃん」を思い出したぞ」

助手「所長、またそんなマニアックな……」

所長「それはともかくとして、今回のテーマは紫だ」

助手「今週はスイレンが大活躍でしたからね!」

所長「別にそれを狙ったわけじゃないんだが……まあとにかく紫と赤、この2色を残したのにはわけがある。やはりこの2色が、現在の2強だと思うからだ」

助手「特に紫は1弾環境のときから存在してましたからね」

所長「そう。紫は1弾のときは最強のXレアデスペラードを主軸にしたロンデスで遅いデッキを構築段階から駆逐し、2弾はミカ全盛の時代の中コアを増やさない速攻を仕掛けられると共にフィールドの除去能力にも優れていた。紫という色を一言で表すとするなら……「安定」という言葉がしっくりくるな」

助手「安定ですか? どうもぶん回りデッキの印象を受けるんですけど」

所長「それはまさに紫に派手な部分しか見えてない証拠だな。実際紫はじわりじわりとアドを取って相手の動きをコントロールしていく、実に玄人好みなデッキだ」

助手「でもそれって、アドが取れるカードを引かないと無理ですよね?」

所長「当然だ。だがな、それを引きやすいというところも紫の持つ安定性の成せる業なんだ。紫は単色に限った話なら他の色よりも切り札を引きやすい。使いやすくて豊富なドローが揃っているからな。それもストームドローやダブルドローのように無理矢理掘り当てに行くのではなく、場にスピリットを補充しながら引いていくのだから、ドローにコアを使って場がお留守になるということもないわけだ」

助手「ああ、確かにそういう意味では安定してますね」

所長「カードを多く引けるということは、単純に切り札を引きやすいということ。それでいて場も潤うのだからいうことはない。それにドローできるカードが優秀というのも加えないといけないな。グリプハンズは先攻に気軽に出せるし、スケルバイパーは出した後もコアを3個乗せるだけでBP6000に大変身だ。ミストウィゼルはいまやすっかりライフチェインと組み合わせての、コンボデッキを回すためのパーツになっているが、これも優秀の部類に入るな。そして言わずと知れた千本槍の古戦場は相手が迂闊に寝かせることを躊躇うという、コントロールとドローを両立させた良カードだ。もうこれらは紫の基本カードといっても大差ないな」

助手「聞けば聞くほど、まさに基盤って感じですね。人によっては0コストや1/1よりも重要って言い出す人がいてもおかしくないかも」

所長「この辺りはよっぽど致命的な3コア以下のドローメタでも出ない限り変わらないだろうな。単純な上位互換が出たとしても、どうしてもスロットが空かないという時でもなければ十分投入される。この辺の土台作りがしっかりとできているからこそ、紫は結構安定して戦えるわけだ」

助手「あと紫で忘れちゃいけないのが、各種除去ですよね」

所長「そう、紫には強力無比な除去がある。一つがコア除去。これはXレアのデスペラードを筆頭にマインドコントロール、ズ・ガインが猛威を振るっている。コア除去できるカード自体はそんなにないものの強力なものが多いため、紫の場合は立ち回りの段階から相手の行動を縛ることができる。紫のコントロール力に一役買っている要素だな。相手にコア除去があろうがなかろうが、紫という色を見せただけで相手の立ち回りを制限できるわけだからな」

助手「そうそう、紫を見ると迂闊にコアを1個にできないんですよね。それとフィールドに4個以上置けないし」

所長「紫が見えたりした場合は、みんなそうするな。序盤のコア運用を縛れるというアドバンテージは相当なものだ。またコアの消費が大きいものを使い辛くする。一時的にせよ場のコアが減少するわけだからコア除去をさせやすくなるわけだ。そしてなによりも強力なのが、デッキにそのカードを入れていようがいまいが、手札に握ってようがいまいがその動きを押し付けること。紫がコントロール色と呼ばれる所以だな」

助手「序盤の展開から先手を取れるってことですね。でも色で展開を縛るのって、何も考えてない人には意味がないんじゃ?」

所長「まあ、その辺りはコントロールデッキの弱点だな。割り切って攻められたり、駆け引きを理解してない子供相手だとあっさり負けることもありえる。個人的には相当なアドバンテージを得ているのだから、そういう交通事故のようなデメリットでうだうだ言うなという気もするがな。続いて疲労状態破壊効果だ」

助手「あ~、厄介なんですよね、あれ。何度強力なスピリットが破壊されたことか」

所長「例えそいつが0コストの軽減稼ぎだろうが、8コストのエースだろうが疲労しているだけであっさりと破壊する。そのプレッシャーは相当なものだな。しかも紫はその効果を持つカードは少ないが、その最もたるダークウィッチが最大7、最小4コアで行えるというのだから恐ろしい」

助手「コストが割に合わない気がするんですよね、強いのが破壊されちゃうと。おかげで全然動けなくなっちゃうし」

所長「その全然動けなくなる、というのがポイントだな。アタックにせよブロックにせよ、スピリットが何らかのアクションを起こすためには大抵疲労状態にしなければならない。それすら抑制できるのだから弱いわけがないな。ましてや実際に破壊されたとき、それが強力なスピリットであればあるほど精神的ダメージも相当なものだ」

助手「一杯コア払って召喚したレオンハウルやタイタスが破壊されたらショックですよね~」

所長「まあその2体は召喚時に十分仕事を果たすわけだからいいが……相手にとっては切り札でもなんでもないカードでそれを潰せるわけだからな。BPで止めれば相手も躊躇うかもしれんが、それにしたって強力なスピリットを1:1交換、いやあらかじめ予防線を張っておかなければ最低2:1交換にされてしまうわけだからあまりやりたくないだろうな」

助手「聞けば聞くほど、紫って無敵のような気がするんですが。あれもこれも警戒してたら全然動けませんよ」

所長「考えすぎる人間にとっては天敵だろうな。だがタッチで他の色のカードを積んでいないと、力押しにあっさりと押し潰されてしまう脆い面もある。まあそれがコントロールデッキなのだからしょうがない。自分の弱いところを突かれる前に、強いところで相手の精神を攻めるタイプだからな」

助手「ってことは、アド差を考えない人が使うと……」

所長「そうだな、この前の君みたいにあっさりやられるだろうな」

助手「うう、厳しいですね」

所長「とはいえ最初の方で言ったように、紫単のコントロールデッキはトップメタレベルだ。ある程度の戦い方さえわかってしまえば、展開次第では上手すらも喰ってしまうかもな」

助手「今聞いた感じだと、速攻デッキぐらいしか苦手なものはなさそうですしね」

所長「いやいや、他にも厳しいのがあるぞ。装甲デッキは相当厳しい。なぜなら低いBPを補うカード効果がシャットダウンされるわけだからな。とはいえ現状は紫の装甲をデフォルトで持つスピリットは少ない。紫ガンメタで行こうとしてもそうそう装甲:紫を持つスピリットは引けないだろうな。ただマン・モールは相当やばいが」

助手「ああ~、それはもう僕にでもわかります。相当悲惨な状況になっちゃいますよね」

所長「デフォルトの装甲にだけ頼ってる場合はまだ戦いようがあるんだ。だがマン・モールは相当やばい。ただでさえ低めのBPなのに相手のBPが強化され、そのうえ相手は除去の危険を無視して展開してくるわけだからな。紫にとってはこれ以上に嫌な展開もない。一度その状況に持ち込まれ以降ドリーム・リボンを入れた人もいるぐらいどうしようもないんだ」

助手「強いデッキではあるけど、調子に乗って跳ね過ぎるとメタデッキに引かれてあっさりと死亡しちゃうってことですよね。何も考えずつかっていいデッキってわけじゃないのは残念だな~」

所長「……さあ、今からフリーだ。マン・モールの恐怖を存分に教えてやる」
by mma-island | 2009-06-02 23:46 | バトルスピリッツ