2010年 12月 31日
第9話「クロスオーバーSP」
美夕「あ、真魚ちゃん真魚ちゃん。大変大変」
真魚「どうしたのよ美夕、血相変えて」 明日美「なにかありましたか?」 美夕「所沢先生が来るらしいの」 真魚「所長が?」 「誰だ、その所長って?」 真魚「この部の顧問よ。所沢長史先生。どうしてだかわからないけど専用の研究室があって、名前をもじって所長って呼ばれてるの。バトスピの研究もしてて、だから顧問にしたらは色々話が早いかな~って思ってお願いしたの」 「ふ~ん、そんな人がいたのか。是非お目に掛かってみたいものだな」 所長「とっくの君の後ろにいるのだが」 「なっ!?」 美夕「あ、こんにちわ」 助手A「所長~! まってくださ~い!」 助手B「まったく、放課後になった途端睡眠なんて。先輩は生徒ですか?」 「……誰だ、この二人は?」 真魚「えっとね、あのちょっと情けないのが荒崎先生。所長の派閥の人で、通称助手A。あのかっこいいのが坂東先生。通称助手B」 「なんともわかりやすい」 真魚「それで、今日はどうしたんですか?」 所長「いやなに、私も一応は顧問を請け負った身だからね。たまには顔を出しておかないと」 助手B「さあ先輩、僕たちは仕事が残ってるので失礼します」 助手A「え!? 本当に顔見せだけっすか!?」 「……なんだったんだ、今のは?」 所長「なぁに、気にしないでくれ。さあ、今回は誰が相手かな?」 美夕「え? 先生が相手なんですか?」 所長「今まで放置していたのだからな。顧問なら当然だろ?」 「なあ真魚、なんであの人あんなにまともなんだ?」 真魚「あんたが何を言わんとしてるかはわかるけどさ……まともな人もいるのよ、たまには。それで、確か今回は明日美さんの番だったはずだけど……」 キキ「あ、はい。その点につきましては明日美様から伝言を承ってます」 真魚「キキさん!?」 キキ「『本日急用を思い出したので失礼します』だそうです」 「道理で最初に一言発したきり発言がないと思ったら、人数が増えすぎたと思って真っ先に逃げやがったな」 真魚「ごめん。正直あたしも途中で美味しい選択だな~って思っちゃった」 キキ「というわけで私が代理として出ることになりました。ちゃんとデッキも借りてきましたし」 「明日美の言いつけとはいえ……キキ、お前いつからそんなに手際が良くなったんだ?」 キキ「ご主人様が褒めてくれた!? ど、どうしましょう! 明日はハルマゲドン!!」 「……お前が普段俺のことをどう思っているか、この年の瀬になってはっきりと理解したからな」 キキ「はははははやくやりましょう、所長さん!(ガクブル)」 美夕「キキさんの初手は[闇騎士モルドレッド]、[ジョー・サイス]、[シュリケラプトル]、[ダンスマカブル]ですね」 真魚「所長は[ルナティックシール]、[巨人猟兵オライオン]、[占いペンタン]、[マジックブック]ね」 「ってちょっと待て!」 真魚「どうしたのよ、急にそんな大声出して?」 「そんな面倒なデッキ使うな! 何のために今までそのタイプのデッキを避けてきたかわからんのか!」 美夕「なにかあるんですか?」 「……見てればわかる」 キキ「奇数が私、偶数は所長さんの先攻ですね。(ダイスを振る)2。所長さんからです」 所長「ドロー[ハンドタイフーン]。占いペンタンを召喚。効果でルナティックシールを場に公開し、1枚ドロー[ハンドタイフーン]。ターンエンドだ」 キキ「占いペンタンでルナティックシール……長期戦狙いですね。コアステップ、ドローステップ[鳳凰竜フェニック・キャノン]。そういうことなら今の内に押し切るです。シュリケラプトルをLv1で召喚。アタックステップ、シュリケラプトルでアタック! 占いペンタンを破壊して軽減元を減らします!」 所長「ふむ、それはライフで受けよう」 キキ「ターンエンドです!」 所長「では私のターンだ。コア、ドロー[巨人猟兵オライオン]、リフレッシュ。マジックブックを使用。手札のハンドタイフーン2枚を公開し、2枚ドロー[闇魔女サブリナ]、[占いペンタン]。ターンエンド」 真魚「ルナティックシール、使わなかったわね」 美夕「凄い度胸です」 「度胸じゃなくて読みだろ。本当にルナティックシールの後を考えて速攻で決めたいなら軽減を潰すより数を増やして怒涛のように攻め込んだ方が相手にプレッシャーを与えられる。あと1コア残してもう一体スピリット出せないなんて、ウィニー速攻の動き方じゃないからな」 キキ「私のターン。コア、ドロー[恐竜人ティラノイド]、リフレッシュ。ジョー・サイスを召喚して、アタックステップ。シュリケラプトルで攻撃します」 所長「ライフで受けよう」 キキ「続いてジョー・サイスでアタック!」 所長「それもライフで受けよう」 キキ「ターンエンドです」 美夕「ティラノイドじゃなくて、ジョー・サイスですか?」 「このターンアタックしたなら、返しにルナティックシールを使われる可能性が高いからな。どうせ寝るんだからティラノイドのBPは意味がないし、それよりは次のターンのために紫の軽減を置きたかったんだろう」 所長「コア、ドロー[ルナティックシール]、リフレッシュ。占いペンタンを召喚。ルナティックシールを場に公開し、1枚ドロー[ルナティックシール]。場に公開しているルナティックシールを使用。ターンエンドだ」 キキ「コア、ドロー[ダンスマカブル]、リフレッシュ。モルドレッドを召喚してターンエンドです。うう、もう一枚シールが見えてるなんて~……」 「実は手札も含めて3枚来てるんだけどな」 所長「コア、ドロー[タイムリープ]、リフレッシュ。サブリナをLv3で召喚。占いペンタンをLv2にしてターンエンド」 キキ「私のターン。コア、ドロー[恐竜人ティラノイド]、リフレッシュ。う~ん……(フェニックでペンタンやいてもいいけど、サブリナ焼けないからな~。シール中だから激突も意味ないし……)シュリケラプトルをLv3、ジョー・サイスをLv2に上げてターンエンドです」 所長「コア、ドロー[ライフチャージ]、リフレッシュ。占いペンタンにライフチャージを使用。コアを3個増やし、場にあるルナティックシールを使用。ターンエンドだ」 キキ「な、長いです……。コア、ドロー[恐竜人ティラノイド]、リフレッシュ。モルドレッドにコアを1個乗せてターンエンドです」 真魚「ティラノイド、出さないわね」 「相手のフェニックやペンドラを警戒してるんだろ」 所長「コア、ドロー[ティン・ソルジャー]、リフレッシュ。サブリナに残ったコアを全て乗せてターンエンドだ」 キキ「私のターン。コア、ドロー[魔術師ドラゴナーガ]、リフレッシュ。モルドレッドとジョー・サイスの上のコアを一つずつ使って魔術師ドラゴナーガを召喚します。効果で1枚ドロー[砲竜バル・ガンナー]。ターンエンドです」 所長「コア、ドロー[ライフチャージ]、リフレッシュ。ルナティックシールを使用、ターンエンドだ」 キキ「さ、三枚目!? コア、ドロー[魔界七将ベルドゴール]、リフレッシュ。ベルドゴールを召喚してターンエンドです」 所長「コア、ドロー[メイパロット]、リフレッシュ。メイパロットをLv3で召喚。効果でコアを1個乗せて、更にサブリナの上のコアを2個移してターンエンド」 キキ「あれが三枚目だから、これが最後のシール影響下。コア、ドロー[デッドリィバランス]、リフレッシュ。バルガンナーをモルドレッドに合体。ターンエンドです」 所長「コア、ドロー[占いペンタン]、リフレッシュ。ティン・ソルジャーをLv2で召喚。占いペンタンをLv1で召喚。タイムリープを公開。1ドロー[サイレントウォール]」 真魚「お~、ここで引くなんて強いわね」 「むしろ時間が掛かった方だ。大分固まってたのか知らないが、あれだけドローしてまったく引かなかったわけだからな」 所長「ライフチャージを占いペンタンに使用。コアを三つ増やし、リザーブのコア4個をティン・ソルジャーに乗せてターンエンドだ。おまたせ」 美夕「あれ? 今ライフチャージ使っちゃうんですか?」 「モルドレッドにバルガンナーが合体してる以上、最大BP4000の占いペンタンは場にいてもただ破壊されるだけだからな。どうせ2体破壊されるなら、返しのターンを凌いだ後のことを考えて今コアを増やしにいったんだろ。俺だったらハンドタイフーンも撃ちたいけど、すでにオライオンが2体いるしウォールをやっと握ったから躊躇うところだな」 キキ「う~、やっと攻めれる~! コア、ドロー[ソウルホース]、リフレッシュ。そのままアタックステップに入ります」 真魚「一気にティラノイド展開しないんだね」 「一気にコア使っちまうからな。マカブルも手札にあるから、神速警戒やデッドリィ、相打ちからのベルドゴールも視野に入れてのコア残しだろう。それに万が一凌がれて壊滅させられたときのために展開用のスピリットは残しておきたかったんだろ。あいつは肝心なところで日和るからな」 キキ「モルドレッドでアタックです。バルガンナーの効果で1枚ドロー[デッドリィバランス]。モルドレッドのLv2効果で、私はベルドゴールを破壊します」 所長「では私はメイパロットを破壊しよう。こちらはフラッシュは何もないが、そちらは?」 キキ「うう~……」 「お~、考えてる考えてる」 真魚「デッドリィ2枚あるし、マカブルもあるから相手の場を一気に全滅させればいいんじゃないの?」 「だから言ったろ、あいつは肝心なところで日和るって。デッドリィなら神速が出たら大量にコアが乗るからマカブルで除去できない。マカブルで除去しても手札を大量に消費する。組み合わせるにしても相手の手札がウォールと神速2枚だったらどうしようもない。相手のハンドタイフーンを当てにするにしても、こっちの手札にはフラッシュの除去手段が4枚もあるから無防備になってしまう可能性が非常に高い。もしくはブリザードウォールを握られたら場を更地にしてもとどめをさせない。ならもし相手がシールの間中何も引かなかった場合も考えて手札を万全な状態にしておく。まあ大体こんなところだろ」 美夕「でも、その前にハンドタイフーンを使わなかったということは切り札を握ってるかもしれないんじゃ?」 「だろうな。まったく、あいつはメイドの癖に相手の事情を考えなさ過ぎだ。何度言っても直さないんだから」 所長「ではティン・ソルジャーでブロックしよう。フラッシュタイミング、サイレントウォールを使用。このまま何もなければ破壊されるが?」 キキ「うう……なにもありません。ターンエンドです」 所長「では私のターン。コア、ドロー[ストロングドロー]、リフレッシュ。さあ、決着をつけよう」 キキ「うう~、やっぱりなにか揃ってたんだ~……」 所長「オライオンを召喚。デッキを12枚破棄だ」 キキ「デッキ破壊!? ヴァリエルタイフーンじゃなくて!? [ジョー・サイス]、[ジョー・サイス]、[魔術師ドラゴナーガ]、[砲竜バル・ガンナー]、[魔法剣士ドラゴナーガ]、[魔術師ドラゴナーガ]、[ダンスマカブル]、[ソウルホース]、[シュリケラプトル]、[鳳凰竜フェニック・キャノン]、[騎士王蛇ペンドラゴン]、[北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン(紫)]が破棄されました」 真魚「うわ……」 所長「ではタイムリープをオライオンに使用。更に12枚破棄だ」 キキ「[闇騎士モルドレッド]、[北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン(紫)]、[デッドリィバランス]、[魔界七将ベルドゴール]、[鳳凰竜フェニック・キャノン]、[騎士王蛇ペンドラゴン]、[騎士王蛇ペンドラゴン]、[砲竜バル・ガンナー]、[シュリケラプトル]、[魔法剣士ドラゴナーガ]、[ソウルホース]、[魔界七将ベルドゴール]。デッキ残り一枚です……」 所長「ふむ、ではここで質問だ。この手札のもう一枚のオライオンと、場にあるハンドタイフーン。どちらで最後を飾りたい?」 キキ「うう、参りました……」 所長「ふふ、実際は紙一重だったよ。君が対応を間違えなければ私はあのまま負けていたが、まあそれは結果論だな」 「……この……野郎…………空気を……読め……」 美夕「だ、大丈夫ですか、作者さん!?」 真魚「あんたが言いたいこと、よ~くわかったわ」 「ったく、この形式でデッキ破壊やるとデッキレシピを文字に起こすのよりも手間が掛かるんだよ」 所長「ふむ、それは済まなかったな」 「絶対わざとだろ、あんた」 所長「せっかくの年末だ、こんな試合もたまにはいいだろう」
by mma-island
| 2010-12-31 01:04
| バトスピ部
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